1型糖尿病、徳島大で治験 自己の細胞使い完治目指す
インスリン産生細胞を作製、移植
血糖値を下げるホルモンのインスリンが分泌されなくなる1型糖尿病患者に対し、患者自身の細胞から、さまざまな細胞のもととなる「幹細胞」を取り出し、インスリンを出す細胞を作り出して移植する臨床試験(治験)を、徳島大のチームが24日までに始めた。自らの細胞から作るため拒絶反応のリスクが低いといい、完治を目指す。
1型糖尿病は、膵臓の細胞が自己免疫などによって壊れて発症する。患者は血糖値を下げるためにインスリン注射が不可欠で、低血糖により失神することもある。国内に約10万~14万人の患者がいるとみられ、子どもの発症が多いとされる。
徳島大病院の池本哲也教授らのチームは、脂肪から作られる多機能性幹細胞の一種「脂肪由来幹細胞」に注目。患者の脚の付け根から皮下脂肪1グラムを採取、脂肪由来幹細胞を分離して増やし、インスリン産生細胞(IPC)を作製した。
インスリンは膵臓から分泌される。IPCを膵臓に近い腸間膜に移植することで、血液中の糖濃度に応じてインスリンが体内へと供給される仕組みだ。人工的に高血糖状態にしたマウスの実験では450日以上血糖値が正常化したという。
池本教授は今年3月、医薬品医療機器総合機構に治験計画届を提出し、9月から重症患者を対象に実施。移植後の血糖値コントロールを分析して安全性を確認する。計3例を予定、池本教授は「感染症や拒絶反応のリスクが低く、治療の選択肢が広がる」と話す。
2030年までの治療確立を目指し、実用化に向けて自動培養の設備などに充てる資金を11月末までクラウドファンディングで募っている。
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