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キャリア・学び2026.10.09 06:00ロックアイコン

Up to Date! 臨床検査エキスパートレビュー # 微生物05

IDSA AMR Guidance 2026から考える薬剤耐性菌検査——菌名とS/I/Rの先に何を返すか

2026年版が示す「S/I/Rだけでは足りない」理由 2026年に改訂された米国感染症学会(IDSA)の抗菌薬耐性(AMR)グラム陰性菌感染症治療ガイダンスは、基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生腸内細菌目細菌(ESBL-E)、AmpC βラクタマーゼ産生腸内細菌目細菌(AmpC-E)、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)、治療困難耐性 Pseudomonas aeruginosa (DTR P. aeruginosa )、カルバペネム耐性 Acinetobacter baumannii complex(CRAB)、 Stenotrophomonas maltophilia を対象としている。 本ガイダンスは米国の治療指針であり、日本の診療にそのまま当てはめるものではない。また、治療選択を示す文書であり、薬剤感受性判定基準そのものを定めるものではない。薬剤感受性カテゴリーであるS(感性)、I(中間)、R(耐性)の判定や検査法についてはClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)などの基準を参照し、本ガイダンスの治療提案とは区別して理解する必要がある。一方、検査室にとっては、耐性菌を検出したときに「どの情報を追加で確認すべきか」「どの結果を診療側に伝えるべきか」を考えるうえで有用である。 こうした位置づけを踏まえ、2026年版の主な変更点と、検査室が注目したいポイントを整理する。 2026年版の重要なメッセージは、耐性菌感染症を菌名とS/I/Rだけで判断しないという点である。本ガイダンスでは、原因菌の同定と薬剤感受性試験(AST)の結果を前提に、治療選択が整理されている。また、経験的治療では、過去12カ月の微生物検査結果、過去3カ月の抗菌薬曝露歴、地域や施設の累積感受性データを考慮することが示されている。 1.ESBL-EとAmpC-E——菌種ごとのリスクを捉える 検査室で特に意識したいのが、ESBL-EとAmpC-Eである。 ESBL-Eについて、2026年版では、 Escherichia coli 、 Klebsiella pneumoniae 、 Klebsiella oxytoca のセフトリアキソン耐性、すなわち最小発育阻止濃度(MIC)4µg/mL以上がESBL産生の代替指標として扱われている。なお、2024年版で対象に含まれていた Proteus mirabilis は2026年版ではこの記載から外れている。 AmpC-Eでは、従来の語呂合わせではなく、菌種ごとのリスクを理解することが重要である。特に Enterobacter cloacae complex、 Klebsiella aerogenes 、 Citrobacter freundii は、臨床的に問題となる誘導型AmpC産生のリスクが比較的高い菌種である。 Hafnia alvei も臨床経験は限られるものの、 in vitro データから同様のリスクカテゴリーとして整理されている。 2.CRE——S/I/Rに加えて確認したい耐性機序 CREでは、単に「カルバペネム耐性」と報告するだけでは不十分な場面がある。カルバペネマーゼには、KPC、OXA-48-likeのほか、メタロβラクタマーゼ(MBL)に分類されるNDM、VIM、IMPなどがある。カルバペネマーゼのクラスや遺伝子型によって有効な抗菌薬が異なるため、2026年版でもカルバペネマーゼタイプの同定は治療判断を最適化するために重要とされている。 微生物検査のエキスパートレビュー IDSA AMR Guidanceは治療ガイダンスであるが、検査室にとっても多くの有意義な情報がある。なぜなら、耐性菌治療の前提となるのは、正確な菌種同定、AST、耐性機序の把握だからである。 1.「S」の判定だけでは捉えきれないAmpC-E 例えばAmpC-Eでは、初回ASTでセフトリアキソンなどの第3世代セファロスポリン系薬が「S」に判定されることがある。しかし、 E. cloacae complex、 K. aerogenes 、 C. freundii では、治療中にAmpCが強く発現し、耐性化する可能性がある。 H. alvei についても、臨床データは限られるものの、同様の誘導型AmpC産生リスクを考慮する菌種として位置づけられている。つまり、これらの菌種では「S」と判定されていても、そのまま安心してよいとは限らない。検査室は、菌種名とAST結果を組み合わせて解釈する必要がある。 一方で、 Serratia marcescens 、 Morganella morganii 、 Providencia spp.などは、従来AmpC産生菌として一括りにされることがあった。しかし、2026年版では、これらの菌種で臨床的に問題となるAmpC過剰産生が生じる頻度は比較的低いと整理されている。したがって、昔から使われてきた「SPACE」「SPICE」といった語呂合わせだけで判断するのではなく、菌種ごとのリスクを理解することが重要である。 2.CREではカルバペネマーゼの型別までみる CREでは、さらに一歩踏み込んだ対応が求められる。CREには、カルバペネマーゼを産生するものと、ESBLやAmpC産生に、外膜ポーリンの減少・欠損による外膜透過性低下などが加わってカルバペネム耐性を示すものがある。特にカルバペネマーゼ産生CREでは、KPC、NDM、IMP、VIM、OXA-48-likeなどの型別が治療薬選択に関わる。日本ではIMP型MBLの存在が特に重要であり、CREを検出した場合には、カルバペネマーゼ産生の有無と型別をどこまで確認できるかが実務上のポイントとなる。 ただし、耐性遺伝子の検出はASTを代替するものではない。特に P. aeruginosa では複数の耐性機序が関与するため、カルバペネマーゼ遺伝子の結果のみから新規βラクタム系薬の感受性を推測せず、実測したAST結果とあわせて判断する必要がある。 3.感染か定着か、検出結果の意味を読む すべての対象病原体について、感染と定着を区別することが重要であり、特にCRABや S. maltophilia では、その判断がしばしば難しい。 S. maltophilia は、呼吸器検体から検出されても定着の場合があり、治療対象とするかどうかは患者背景と臨床像をあわせて判断する必要がある。一方で、血液培養陽性例、特に血液悪性腫瘍患者における菌血症や出血性肺炎などでは真の病原体となりうる。 2026年版では、侵襲性 S. maltophilia 感染症に対してセフィデロコル単剤がpreferred therapyとされた。しかし、その根拠となる比較臨床データは依然限られており、ASTの測定法の再現性やMICと臨床転帰の関連にも課題が残る。 したがって、検査室の役割は、単に菌名とS/I/Rを返すことではない。耐性菌を検出したときに、その結果が治療選択や感染対策にどのような意味を持つのかを、臨床側に伝わる形で整理することである。主なポイントを 表 に示す。 表 IDSA AMR Guidance 2026の主要ポイントと検査室での実務 対象 2026年版の要点 検査室で押さえるポイント ESBL-E E. coli 、K . pneumoniae 、 K. oxytoca ではセフトリアキソン MIC ≥4 µg/mLをESBL産生推定の代替指標とする(2024版に含まれた P. mirabilis は2026版では対象外)。 セフトリアキソン耐性だけでESBL確定とはしない。必要に応じて確認試験・遺伝子検査を追加し、治療薬の選択には実測したAST結果を用いる。 AmpC-E E. cloacae complex、 K. aerogenes 、 C. freundii は、臨床的に問題となる誘導型AmpCの中等度リスク菌種である。 H. alvei も試験管内データから同じカテゴリーに位置づけられる。侵襲性感染症では、第3世代セファロスポリン系薬がSでも原則として選択しない。 「SPACE」「SPICE」などで一括りにせず、菌種ごとのAmpC誘導リスクを踏まえて判断する。 CRE CREには、非カルバペネマーゼ産生菌とカルバペネマーゼ産生菌がある。KPC、MBL(NDM・VIM・IMPなど)、OXA-48-likeなど、カルバペネマーゼの型によって有効な薬剤が異なる。 可能であればカルバペネマーゼ産生の有無と型を確認する。ただし、遺伝子型だけで判断せず、AST結果と合わせて解釈する。日本ではIMP型MBLも重要である。 DTR P. aeruginosa セフィデロコル、セフタジジム・アビバクタム、セフトロザン・タゾバクタム、イミペネム・シラスタチン・レレバクタムは菌株ごとに活性が異なるため、4剤すべてのASTを行うよう検査室に促している。 他剤の結果から感受性を推測せず、4剤を個別に測定する。治療中の再分離や感染再燃時にはAST再検を検討し、必要に応じて外注検査や専門家相談につなぐ。 CRAB 感染と定着の区別が重要である。侵襲性CRABでは、sulbactam-durlobactam+イミペネムまたはメロペネムが優先される治療選択肢である。 呼吸器・創部検体では定着の可能性を考え、検体情報や患者背景と合わせて解釈する。AST法や使用可能な薬剤には地域・施設差がある。 S. maltophilia 侵襲性感染症ではセフィデロコル単剤が優先される治療選択肢である。ただし、根拠は主に感受性データと好中球減少動物モデルで、臨床データは限定的である。 まず感染か定着かを判断する。ASTの再現性やMICと臨床転帰の関連には限界があるため、S/I/Rだけで単純に判断しない。 〔Tamma PD, et al : Clinical Infectious Diseases, ciag481, 2026を基に筆者作成〕 検査室で確認したい5つのポイント 本ガイダンスを日常業務に活かすには、すべての治療薬を覚える必要はない。まず重要なのは、耐性菌を検出したときに、検査室としてどこで立ち止まるかを決めておくことである。 第一に、 AmpC-Eでは菌種名を確認する 。 E. cloacae complex、 K. aerogenes 、 C. freundii 、 H. alvei が検出された場合、第3世代セファロスポリン系薬の「S」という結果をそのまま治療上安全と考えてよいか、慎重に解釈する必要がある。 第二に、 CREではカルバペネマーゼの有無と型別を意識する 。院内で検査を実施できない場合でも、どのような症例を外注検査や専門家相談につなぐか、あらかじめ決めておくことが重要である。 第三に、 DTR P. aeruginosa 、CRAB、 S. maltophilia では、追加ASTや再検査の必要性を考える 。特にDTR P. aeruginosa では、セフィデロコル、セフタジジム・アビバクタム、セフトロザン・タゾバクタム、イミペネム・シラスタチン・レレバクタムの4剤について、他剤の結果から活性を推測せず、個別にASTを実施することが重要である。また、 P. aeruginosa では、治療中に再分離された場合や感染の再燃が疑われる場合にはrepeat ASTを検討する。 第四に、 定着と感染の鑑別を意識する 。CRABや S. maltophilia は、呼吸器検体や創部検体から検出されても、必ずしも治療対象とは限らない。一方で、血液培養陽性例や免疫不全患者では重要な病原体となりうる。検査室は、菌名とS/I/Rだけでなく、検体背景や混合菌の有無を踏まえ、必要に応じて「臨床像と合わせて感染症としての意義を判断する」ことを促すコメントを活用したい。 第五に、測定可能な抗菌薬をすべて一律に報告するのではなく、施設の抗菌薬適正使用支援チームやICTと連携し、 必要な薬剤を選択的に報告するselective reportingもdiagnostic stewardshipの観点から検討したい 。 IDSA AMR Guidance 2026は、米国の治療ガイダンスである。しかし、日本の検査室にとっても、耐性菌検査を診療にどうつなげるかを考えるための有用な資料である。これからの検査室には、菌名とS/I/Rを返すだけでなく、菌種、耐性機序、感染部位、患者背景を踏まえて、結果の意味を伝える力が求められる。 引用文献 1)Tamma PD, et al : Infectious Diseases Society of America 2026 guidance on the treatment of antimicrobial-resistant gram-negative infections. Clinical Infectious Diseases, ciag481, 2026 2)Tamma PD, et al : Infectious Diseases Society of America 2024 Guidance on the Treatment of Antimicrobial-Resistant Gram-Negative Infections. Clinical Infectious Diseases, ciae403, 2024

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キャリア・学び2026.10.07 06:00ロックアイコン

Up to Date! 臨床検査エキスパートレビュー # 血液05

検査室へのAI導入に何が必要か——オートメーション化の歴史から考える

AI導入とオートメーション導入に共通すること 人工知能(AI)の発展が進むなか、「AIで検査室はどこまで効率化できるのか」が話題になる。 臨床検査の歴史を振り返ると、AI導入とオートメーション導入には共通する点がある。どちらも、新しい技術を置くだけでは十分に機能せず、その技術が働けるように工程や周辺の情報・条件を整える必要がある。 臨床検査では、自動分析装置や搬送システムの導入に伴い、検体の受付、前処理、搬送、測定、再検、結果報告までの流れを見直し、識別方法、測定条件、装置間の接続、異常時の対応を整理してきた。つまり、装置を導入する前に「装置が働ける環境」をつくったのである。 Khullarは、AIによる個々の業務の自動化と、職業そのものの消失は同じではないと論じている 1) 。臨床検査でも、AIが一部の定型業務を担っても、結果の解釈、例外処理、他職種との連携など、人が担う役割は残る。では、AIが働ける検査室には何が必要なのだろうか。 血液検査のエキスパートレビュー 1.オートメーション導入では、何を整えたのか 検査室のオートメーション化では、人によって異なっていた作業を工程に分け、共通の条件へ置き換えることが必要だった。Sasakiらは、日本で検査室のシステム化・自動化が1981年に始まり、その普及過程でラック形状・寸法などの標準化不足が課題であったことを報告している 2) 。現在のTotal Laboratory Automation(TLA)は、分析前・分析後を含む検査プロセス全体の統合へ広がっている 3) 。 AI導入でも、目的の明確化、現状の可視化、作業や条件の標準化という基本的な流れは共通している。一方、AIでは、作業工程に加えて、AIが利用する情報や、人がどの情報を見て何を根拠に判断し、どの条件で次の行動へ進むのかという判断のルール・プロセスまで整理する必要がある( 表 )。 表 AI導入とオートメーション導入の比較 AI導入 オートメーション導入 共通する考え方 導入目的 どの工程の何を AI に支援させるか どの作業・工程を装置化するか 導入目的と対象を明確にする 可視化 作業・情報の流れと判断する場面 検体・作業・装置の流れ 現状の流れと人の役割を明らかにする 標準化 作業・条件に加え、入力情報・判断条件・分岐 作業手順・測定条件・再検条件など 技術が扱えるよう手順・条件をそろえる 情報・システム AI が利用できる形にデータを整理 装置・搬送・ LIS を接続 情報を整理し、連携できる形にする 人が担う部分 不確実な出力や例外を確認・判断 検体・装置異常、測定不能への対応 技術に任せる範囲と、人が確認・判断する場面を明確にする 品質保証 性能確認、データ品質、継続監視、更新後の再確認 精度管理、保守、工程 の 監視 継続して確認・改善する 〔筆者作成〕 2.AI導入では「情報」と「判断プロセス」まで整える AI導入では、現状の作業工程と情報の流れを可視化し、手順や条件を整理・標準化する。そのうえで、どの情報を使い、何を根拠に判断し、どの条件で対応を分け、どの行動につなげるのかを整理する。用語、入力項目、データ形式、判断に使う情報、優先順位、分岐条件などを可能な範囲で明確にする。 こうした作業工程や判断ルールを標準化するとき、すべてを同じ答えに固定する必要はない。臨床検査には境界例や例外がある。「通常はどうするか」だけでなく、「判断できないとき」「前提条件から外れたとき」「人が確認すべきとき」も整理しておく。どこまでをシステムやAIに任せ、どの場面で人が確認・判断するのかを明確にすることが重要である。 さらに、システムやAIで判断を支援するには、必要な情報自体も整理されている必要がある。紙の記録をPDF化したり、自由記載をそのまま電子化したりするだけでは、情報を検索・集計し、再利用することは難しい。定型化できる内容は項目や選択肢として整理し、必要な文脈や例外は自由記載として残す。 Padoanらは、検査値だけでなく、その生成や解釈に関わる属性情報や周辺情報の整理・標準化がAI活用にもつながると指摘している 4) 。システム化の前にExcelなどを利用して入力項目や選択肢をテスト的に運用し、必要な情報や例外を表現できるかを確認する方法も考えられる。 検査分野を超えて共通するAI導入の考え方 血液検査を例に、この考え方を当てはめてみる。①血球計数検査では、CBCの数値や装置フラグなどを手がかりに、再検するのか、②塗抹標本を作製して血液像を確認するのか、③どこまで結果を報告するのか——を判断している。 この一連の判断を「拾う→確かめる→分ける→選ぶ→つなぐ」の5工程として整理すると、定型化できる部分と人による判断が必要な場面を捉えやすくなる。AIが血球形態分類や異常細胞スクリーニングを支援する場合も、工程と役割の整理が重要になる。 さらに、この考え方は血液分野に限らない。生化学、微生物、輸血、病理、生理検査など分野が異なっても、作業工程を可視化し、必要な情報や判断ルールを整理し、自動化する部分と人が確認・判断する部分を明確にする考え方は共通する。臨床検査へのAI実装では、導入施設での性能確認、想定された使用目的に沿った運用、性能の継続的な監視、IT基盤の整備などが重要とされている 5) 。 マニュアル検査からオートメーションへ移行したとき、われわれは作業工程を可視化・標準化し、装置が働ける環境を整えてきた。AI導入でも、この基本的な考え方は変わらない。新しいAIを探す前に、①どの工程の何を支援させるのか、②必要な情報や判断ルールが整理されているか、③自動処理が適さない場合に人が確認・判断する仕組みがあるか——を見直す。そこが、AI活用の出発点になると考えられる。 引用文献 1)Khullar D : Artificial intelligence and the future of the clinical workforce. N Engl J Med, 395 : 1041-1043, 2026 2)Sasaki M, et al : Total laboratory automation in Japan. Past, present, and the future. Clin Chim Acta, 278 : 217-227, 1998 3)Plebani M : Total laboratory automation: fit for its intended purposes? Clin Chem Lab Med, 64 : 22-26, 2026 4)Padoan A, et al : Data flow in clinical laboratories: could metadata and peridata bridge the gap to new AI-based applications? Clin Chem Lab Med, 63 : 684-691, 2025 5)Yang HS, et al : Implementation of AI systems in the clinical laboratory: insights from an expert survey and recommendations for best practice. Clin Chem Lab Med, 64 : 1513-1526, 2026

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業界ニュース2026.10.09 05:00ロックアイコン

編集部 Pick Up ニュース[10月9日号]

忙しい臨床検査技師のための注目ニュースまとめ

臨床検査技師が押さえておきたい今週注目の5本 リポタンパク(a)、生涯に一度は測定を 動脈硬化学会が、リポタンパク(a)のコンセンサス・ステートメント(学会公式声明)を発表。動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)などのリスク因子になるため、全成人に生涯に少なくとも一度は測定すべきと推奨。 検体検査の共有拡大など論点も、議論深まらず 厚労省WGが、26年度冬から全国運用を予定する「電子カルテ情報共有サービス」の共有情報の拡大について議論。検体検査項目の共有拡大を論点に挙げるも、段階的な拡大を求める慎重意見が多数。 IFBLS開催、国内外の検査技師らが参加 世界医学検査学会(IFBLS2026)が9月23~27日、幕張メッセで開催。世界31の国・地域から臨床検査技師ら約1000人が参加。開会式には天皇、皇后両陛下の長女、愛子さまも出席。 極東製薬と栄研化学、培地製品で協業 極東製薬と栄研化学が、培地製品の製造・販売に関する協業で合意。第1弾として、極東が製造する生培地約25品目を、栄研化学が来春にも販売へ。両社は製造技術と販売網を相互に活用する方針。 【新製品】アレルギー検査機器・試薬を発売 日本ケミファが、アレルギー検査機器・試薬「ドロップスクリーン」の新試薬「吸入アレルゲン KR-1」と新規測定機器「A-2」を発売。総IgEと吸入系の特異的IgE19項目の計20項目を15分で測定可能に。

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キャリア・学び2026.10.07 06:00ロックアイコン

新人臨床検査技師の歩き方 [第20回]

オンライン時代の情報発信と繋がり方

82 SNSで広がる情報と人脈:うまく活用するには? SNSをきっかけに、これまで出会ったことのない人とのつながりが生まれることは、今では珍しくありません。周囲に同じ専門分野の人がいない場合や、情報交換・意見交換ができる仲間を見つけたいとき、SNSは非常に心強いツールになります。そのためには、まず自分から積極的に情報を発信してみましょう。発信をきっかけにコメントやメッセージで交流が始まったり、学会や研修会などで「SNSを見ています」と声をかけられたりすることもあります。継続的な発信が、新たな人脈や学びの機会につながるでしょう。 —{83 匿名性と実名、それぞれのメリット・リスク}— 83 匿名性と実名、それぞれのメリット・リスク SNSを始める際は、匿名で利用するか実名で利用するかを考えることが必要です。実名で発信すると、知人や友人に見つけてもらいやすく、学会や研修会などで「SNSを見ています」と声をかけられる機会が増えるというメリットがあります。一方、匿名であれば、身近な人に知られることなく自由に情報発信しやすい点が魅力です。ただし、実名で活動する場合は、万が一トラブルや炎上が起きると、勤務先や住所などの個人情報が特定されるリスクもあります。それぞれのメリットとリスクを理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。 —{84 技師発のブログ・YouTube・ポッドキャスト}— 84 技師発のブログ・YouTube・ポッドキャスト SNSには、XやInstagramのように交流や情報交換を目的としたものだけでなく、ブログやYouTube、ポッドキャストなど、さまざまな発信媒体があります。前者は気軽なコミュニケーションに適している一方、後者は専門的な知識や経験をより詳しく伝えられることが特徴です。りんわくプロジェクトでも、ブログやYouTubeを通じて臨床検査技師に役立つ情報を発信しています。しかし、臨床検査技師が運営するブログやYouTube、ポッドキャストは、まだ多くありません。専門知識や経験を発信したいと考えている方は、ぜひこうした媒体にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 —{85 炎上・情報漏洩を防ぐリテラシーとモラル}— 85 炎上・情報漏洩を防ぐリテラシーとモラル SNSは情報交換や交流の場として便利な一方で、炎上や情報漏洩といったリスクも伴います。匿名で利用していると、「これくらいなら大丈夫」という気の緩みから、不適切な発信につながることもあります。職場で知り得た情報や患者情報はもちろん、業務に関する内容を安易に投稿してはいけません。また、プライベートの写真を投稿する際も、職場名や個人情報が写り込んでいないか確認することが大切です。さらに、他者を傷つける発言や誹謗中傷は絶対に避けましょう。匿名・実名を問わず、一度発信した情報は消せないという意識を持つことが、信頼される情報発信につながります。 —{本日までの歩み}— 本日までの歩み 一般社団法人 臨床検査×わくわくプロジェクト 臨床検査業界を“わくわく”する場にすることを目的に、有志が集まって立ち上げた活動です。まずは自分たちがわくわくすることを探し、そして周囲を巻き込み一緒にわくわくし、最後には業界を巻き込みわくわくした場を広げていく、そんな流れをつくっていこうと活動をしています。詳しい活動の内容は こちら をご覧ください。

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検査室2026.10.05 06:00ロックアイコン

変わり続ける検査の現場 #34 奈良県臨床検査技師会

動画で心エコー計測を評価 外部精度調査の試み、3年目に

奈良県臨床検査技師会が、心エコー動画を使った外部精度管理調査を2024年度から実施している。クラウドからダウンロードした心エコーのDICOM動画を無料のDICOMビューワーで確認し、心腔径や壁厚など6項目を計測する内容で、計測データに基づき、AからDまでの4段階で評価する。調査後には結果解説の勉強会も開く。奈臨技では、現在の実施方法を検証しながら、参加施設の拡大を図っていく考えだ。 2023年度のパイロット実施を経て、2024年度から評価対象問題に組み入れた。正常例と肥大心の2問を設定し、検査日や患者属性などをマスキングした上で、胸骨左縁長軸断面のDICOM形式動画をクラウド上に保存。参加施設は、エコー動画とDICOMビューワーを病院のネットワークとは隔離されたパソコンにダウンロードして心腔計測を行う。 計測するのは、左室拡張末期径、左室収縮末期径、心室中隔壁厚、左室後壁厚、大動脈径、左房径の6項目。計測値は小数点第1位までとした。実際の検査では他にも計測項目があるが、ビューワーソフトの性能などを踏まえ、臨床的に重要な6項目に絞った。 平均値を目標値にして評価 データの評価は、生化学検査を参考に、平均値を目標値にする方式を採用した。集計データに対して3SD除去法を2回実施した上で、平均値やSD、CVなどを算出。±1SD以内をA判定、±2SD以内をB判定、±3SD以内をC判定、±3SDを外れた場合をD判定とした。全6項目がA判定であれば総合評価をAとし、1つでもB判定があればB評価とする。最も低い項目別判定を総合評価に反映させる方式とした。 AまたはB評価であれば「基準を満たしている」ことになり、C評価以下は改善が必要との判定となる。 参加施設は、2024年度が23施設、2025年度が25施設で、従前から行っている心エコー画像サーベイの参加施設の9割が回答した。 2025年度調査の結果、A評価とB評価を合わせた割合は正常例が計84%、肥大心が計92%となった。2024年度調査の計91%、計74%に比べ、肥大心で割合が改善し、実施の効果が伺えている( 表 )。調査後は、奈臨技主催のサーベイ検討会を開催し、評価結果に基づき、計測の時相や計測位置の確認などを促している。 表 サーベイの判定結果 バーチャルスライドから発案 松谷氏 クラウド上の動画とDICOMビューワーを使う方式は、奈臨技の精度管理委員会で心エコーを担当する松谷勇人氏(天理よろづ相談所病院)が発案した。病理部門などの外部精度管理調査で使われるバーチャルスライドからヒントを得た。 日本心エコー図学会の診断・計測精度管理の手引では、エコー画像を配布し、実際に測定した計測値を集計・評価する外部精度管理の方式が望ましいとしている。その一方で、配布画像をエコー装置に取り込む方式は対応できる施設が限られ、「広く実施するのは困難」と実施上の限界にも言及している。クラウド上の動画とDICOMビューワーを活用すれば、手引の推奨手法を安価に実施できる。 松谷氏は、「心エコーの教育が行き届いていなかったり、担当技師が1人しかいなかったりする小規模な検査室では、計測位置の確認や目合わせが難しい。そうした検査室に検証の機会を届けられる」と調査の意義を話す。一方で、計測データを平均値で評価する現在の方法が妥当か、より使いやすいビューワーソフトがないかなど、実施上の検討課題があることも指摘する。「現在の形が完成形とは考えていない。これから取り組んでいく中で完成度を上げていきたい」。 2025年度(3回目)に実際に配布した画像 参加拡大を呼びかけ 今後は、調査方法の検証を続けながら参加施設の拡大を図りたいと考えており、関心のある臨床検査技師会にはノウハウも提供したいとしている。将来的には、全国展開も視野に入れる。 評価対象としての実施は2026年度で3年目となる。2026年度も6月に調査を実施し、9月に各参加施設へ評価結果を送る予定だ。 ※『THE MEDICAL & TEST JOURNAL』2026年9月1日号に掲載された記事の再掲です。

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業界ニュース2026.10.05 05:10ロックアイコン

インフルエンザ増加続く、ヘルパンギーナも

週刊 感染症サーベイランスレポート #2026年第37週(2026.9.7 - 9.13)

2026年第37週の全国的なトレンド 2026年第37週(9月7~13日)の急性呼吸器感染症(ARI)の定点当たり報告数は55.87(報告数20万8242例)で、前週から増加しました。前週を上回った都道府県は45都道府県でした。 疾患別では、 インフルエンザの定点当たり報告数は5.54(報告数2万697例)で、12週連続で増加 しました。IDWRによると、第26週以降増加が続いており、過去5年間の同時期の平均と比べてやや多い水準です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は2.44(9122例)で、4週連続で増加しました。 入院サーベイランスでは、 インフルエンザの新規入院患者数は478例で、前週から194例増加 しました。年齢群別では0~9歳が161例と最も多く、80歳以上が124例、10~59歳が86例と続きます。一方、COVID-19の新規入院患者数は273例で、前週から13例減少しました。 小児科定点では、RSウイルス感染症が1.12で3週連続、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が1.46で4週連続、 ヘルパンギーナが1.00で3週連続の増加となりました。 一方、咽頭結膜熱は0.24で前週から減少しました。感染性胃腸炎は3.80、水痘は0.16、手足口病は1.45でした。 また、エムポックスは、クレード1bが4例報告されました。 都道府県別の発生動向 ARIの定点当たり報告数は、 埼玉県(88.05)が最も多く、群馬県(84.18)、神奈川県(75.67) と続きます。47都道府県のうち45都道府県で前週を上回っています。 インフルエンザは、沖縄県(16.61)、茨城県(9.85)、東京都(9.53)で多く 、沖縄県では10を上回っています。 COVID-19は長野県(5.96)、栃木県(5.45)、埼玉県(5.00)が上位です。 小児科定点では、RSウイルス感染症は和歌山県(2.81)、島根県と福岡県(2.36)が多く、 ヘルパンギーナ は 群馬県(5.16)、三重県(2.14)、神奈川県(1.87)で多く報告されています 。 表 第37週における主要感染症の定点当たり報告数(全国) 主要感染症 定点当たり報告数 前週からの増減 インフルエンザ 5.54 ↑ COVID-19 2.44 ↑ 感染性胃腸炎 3.80 ↓ A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 1.46 ↑ RSウイルス感染症 1.12 ↑ 咽頭結膜熱 0.24 ↓ 水痘 0.16 ↓ 手足口病 1.45 ↓ ヘルパンギーナ 1.00 ↑ マイコプラズマ肺炎 0.44 ↑ 〔IDWR感染症週報 第37号/急性呼吸器感染症サーベイランス週報 第37週を参考に作成〕

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業界ニュース2026.10.05 06:25ロックアイコン

【写真で伝える】IFBLS 2026、第75回日本医学検査学会

愛子さまもご来場

第36回世界医学検査学会(IFBLS 2026)が9月23~27日、第75回日本医学検査学会が同月26・27日に、幕張メッセ(千葉市)などで開かれた。 同時開催となったイベントには国内外から多くの臨床検査技師らが集まり、会場は大きなにぎわいを見せた。天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが出席されたIFBLSのオープニングセレモニーをはじめ、国際色豊かな学会会場や展示ホール、日本医学検査学会の情報交換会などの様子を写真で紹介する。 IFBLS世界大会は10年ぶりの日本開催。第75回日本医学検査学会との同時開催に IFBLSのGabriella-Lillsunde-Larsson会長(左)と、日臨技の長沢光章会長 ウェルカムセレモニーで国旗を掲げる丸田秀夫副会長 オープニングセレモニーに愛子さまが出席 セレモニーでスピーチされる愛子さま セレモニーに出席した上野厚生労働相(左)、熊谷千葉県知事(中央)、神谷千葉市長 『繋ごう-日本と世界』を揮毫する書道パフォーマンス 会場では海外からの参加者の姿も 海外からの参加者も交えた学生フォーラム 病院団体トップもシンポジウムに参加 各セッションで活発な議論が交わされた 多くの企業が出展した展示ホール 情報交換会を盛り上げたねぶた囃子 津軽三味線を披露する奥沢悦子大会長 次回、第76回日本医学検査学会を担当する長崎県臨床検査技師会の皆さん

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