業界ニュースアカデミア
iPS細胞で肺線維症再現 治療薬候補も特定
京都大iPS細胞研究所
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)で作った「ミニ組織」を使い、肺の難病である特発性肺線維症の再現に成功したと、京都大iPS細胞研究所の後藤慎平・教授(呼吸器再生医学)らのチームが12日、英科学誌に発表した。病状の進行に抑制効果を持つ化合物も特定、治療薬の候補として期待できるという。
チームによると特発性肺線維症は、酸素と二酸化炭素をガス交換する「肺胞」の壁が厚く硬くなり、酸素の取り込みが困難になる病気。国指定の難病で、進行を遅らせる薬はあるが病状が進むと肺移植が必要になる。
これまでにチームはiPS細胞から肺胞を模したミニ組織「オルガノイド」を作製。今回、このオルガノイドに薬剤で損傷を与え、特発性肺線維症の症状が進むプロセスを再現した。
その結果、肺の修復を担うはずの細胞に異常が生じ、組織を支える線維芽細胞を過剰に刺激して、壁が硬く収縮する「線維化」を引き起こすことが分かった。
また既存の化合物264種類を検討したところ、特定のタンパク質の働きを抑えると、線維化が防げることが判明。このタンパク質が異常発生の司令塔だと考えられ、阻害剤を肺線維症マウスに投与すると異常を抑制できた。
さらに異常細胞をチームが開発した正常な細胞用の培養液で培養すると約1週間後には正常に戻っていることが確認された。後藤教授は「肺線維症の病態を再現し、異常な細胞を正常に戻すことができた。今後、この仕組みを利用した治療も考えられる」と話した。
続きを見るには会員登録
(無料)が必要です
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。
MTJメールニュースの会員のみなさまへ
MTJメールニュースは、WEBサイト「MTJ ONE」にリニューアルいたしました。
お手数ですが、下記より再度、新規会員登録をお願いします。




