10%NBFの使用率、調査参加の有無で差
日臨技 精度管理調査・病理検査
日本臨床衛生検査技師会は11月29日、千葉市で臨床検査精度管理調査の総合報告会を開いた。病理 FFPE材料を前提とした固定液標準化の調査報告があった。
精度管理調査の参加施設にFFPE材料の固定液について聞いたところ、日本病理学会の取扱い規程が推奨している10%中性緩衝ホルマリン(10%NBF)の使用率は2025年度、生検検体で93.8%、手術材料が90.1%といずれも9割を超えた。一方で、調査未参加の施設はそれぞれ62.2%、60.8%にとどまり、使用率の向上がなお課題であることが分かった。
調査未参加施設では「(固定液の)種別を知らない」との回答が1割あり、臨床検査技師が不在の施設などに対する普及啓発や情報提供が必要な状況だった。
一方、手術材料について5割近くの施設が同じ固定液を複数回使用している実態も判明。交換の基準を明確に決めていない施設も多い。報告した検討WGの山下和也氏(北里大学病院)は、「ゲノム医療に向けてコンタミネーションの問題がある」として改善が必要だとの認識を示した。
タスクシフト意識し「切り出し」の出題
凍結切片作製時のアーチファクトの原因を答える問題11は、正解率が78.3%と低かったが、会内審議の結果、評価対象問題となった。凍結標本作製未実施施設を除いて集計すると正解率が80.5%となり、評価対象の基準である80%を超えたため。
問題11は、凍結HE染色標本に起きた「しわ」の原因を問う内容だったが、同じ標本内にあった、すだれ状の別のアーチファクトの原因を回答した施設があり、正答率が低くなった。
WGの吉田美帆氏(神戸大学医学部附属病院)は、誤解を生じさせた可能性があるとし、「少し工夫が必要だった」と今後改善する考えを示した。
また、今年度はトライアル問題として「切り出し」について出題した。胆嚢手術検体の最も適切な切り出し図を5択から選ぶ問題で、正解率は99.9%と高かった。吉田氏は「タスクシフト・シェアを意識した業務は、今後病理検査技師に求められる技術の一つ」とし、来年度もトライアル問題として出題を続ける方針を示した。
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