業界ニューストレンド

AI活用の医療機器、普及に課題 臨床データ収集難しく
導入コストや維持費ハードル

2025.11.12 05:15 会員限定記事を示すアイコン

人工知能(AI)を活用した医療機器の普及が課題となっている。公的医療保険の点数がほとんど付かないため導入コストや維持費がハードルになっているほか、有用性を示すための臨床データ収集が難しく、企業は政府に支援を求めている。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)によると、AIを活用した病気の診断や治療目的のソフトウエアで、薬事承認されたのは45製品。内視鏡での画像診断でがん発見を支援するものや、外科手術で切除可能な部位を示すものなど多岐にわたる。

ただ定義が異なるものの米国では既に千製品以上、韓国では200製品以上が承認。国内の新興企業による「AI医療機器協議会」は普及が進まないため臨床データを集められず、大手企業との連携など事業展開が難しいと指摘する。

公的医療保険の点数が付かないことも医療機関が二の足を踏む要因となっている。点数が付いたのはインフルエンザ検査を支援するプログラムと大腸内視鏡診断用のもののごく一部。加算も低い水準にとどまる。

活用が進めば、医師不足など現場が抱える課題解決につながる可能性もある。胸部エックス線や胃の内視鏡検査用のAI機器を導入する泉胃腸科外科医院(熊本)の泉大輔院長は「医師1人では見逃しリスクがあり、ダブルチェックの目的で使っている。地方は医師の人手に限りがあり、診察の質向上につながる」と話す。

政府は6月、骨太の方針で医療AIに絡め「日本発の医療機器創出を促進する」とした。開発企業の幹部は「実際使ってもらわないと、有用性を示せない。導入を促す支援が必要で、このままでは他国に取り残される」と危機感を示した。

 

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