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原因解明進み病名を変更、免疫性血小板減少症
新薬が相次ぎ実用化

2025.12.03 04:00 会員限定記事を示すアイコン

出血を止める役目を果たす血小板が少なくなる国の指定難病「免疫性血小板減少症」。自己抗体によって血小板が壊れることが原因であると分かってきたことから、最近この病名に改められた。急速に進歩している治療の現状と、患者の注意点について専門家に聞いた。

厚生労働省の研究班で免疫性血小板減少症に関するグループリーダーを務める大阪大病院輸血・細胞療法部の加藤恒・部長(血液・腫瘍内科)によると、この病気は血液の成分のうち、血小板だけが減るのが特徴だ。出血が止まりにくくなったり、皮下で内出血が起きて紫斑が現れたり、女性の場合は、月経や出産時の出血が重くなったりする。

以前は「特発性血小板減少性紫斑病」という病名だった。特発性とは原因が分からないことを指す。だが、近年の研究によって、この病気には免疫の働きが関わっていることが明らかになってきた。「血小板表面のタンパク質にくっつく自己抗体ができて、血小板が新たに骨髄で作られるのを抑え、血小板の破壊を促す」(加藤さん)という。紫斑の症状も患者によっては現れないため、欧米で先に病名変更され、日本でも2025年、正式に名前が改められた。

 

1万7千人弱

加藤さんによると、日本での発症は小児、若い成人、高齢者で三つのピークがみられ、若い成人では女性の割合が高い。小児は大半が治り、再発はまれだ。一方、成人では3カ月以上続く「持続性」、1年以上続く「慢性」に進みやすい。成人の慢性患者では、条件を満たすと特定医療費(指定難病)受給者の認定を受けて医療費の軽減、助成が受けられる。近年の日本の認定患者は1万7千人弱。「軽症を含めると相当数の患者がいると考えられる」という。

認定を受けた人のデータで最も多かった症状は紫斑で、9割の患者でみられた。歯茎の出血や鼻血、下血などが続く。加藤さんによると、中でも脳出血は命に関わるため、治療では特にその予防に気を使う。

診断後の治療は、血液中の血小板数を測ってその減少の程度と症状を見極めた上で、主に投薬で進められる。急性期にはまず免疫の働きを抑えるステロイドを投与するが、長期間続けると副作用などの懸念があるため、別の薬に切り替える。

血小板の産生を促すトロンボポエチン受容体作動薬や、血小板を壊す自己抗体をリンパ球が作る働きを抑える分子標的薬リツキシマブがある。最近になって、抗体そのものを除去する働きのある薬や、血小板が壊れることと抗体ができることの両方を抑える薬も、日本で相次ぎ使えるようになった。それぞれの薬の特徴と患者の希望を踏まえて選ぶことができる。

 

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