がんセンター元医長に無罪 東京地裁「賄賂認識なし」
医療機器選定巡る収賄
国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の医療機器選定を巡り、メーカーから賄賂を受け取ったとして収賄罪に問われた元肝胆膵内科医長の医師橋本裕輔・被告(49)の判決で、東京地裁は6日、「賄賂との認識はなかった」として、収賄の成立を認めず無罪を言い渡した。検察側は懲役2年6月、追徴金約315万円を求刑していた。
争点は、胆管の閉塞を開通させる筒状のステントの評価などに関する調査名目で、医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京)と結んだ契約に基づき受領した報酬の賄賂性。検察側は、契約に実態がなく同社機器をより多く使ってもらうための賄賂だと主張し、弁護側は正当な報酬と認識していたと反論した。
向井香津子・裁判長は、調査に協力し同社側へ口頭報告をしていたことから契約義務を履行していたと認め、謝礼は「契約に基づく正当な報酬だった」と判断。一方で同社側については、2回に分け提供した資金のうち、後者はより多くステントを使用してもらうことへの見返りだったとして「贈賄の趣旨と認められる」と指摘した。
ステントを多く使用したことの謝礼として、2020年に約146万円、21年に約168万円の送金を同社から受けたとして、23年に起訴された。判決言い渡し後、向井裁判長は「長い期間の裁判、お疲れさまでした」と言葉をかけた。
贈賄罪に問われた同社元社長柳田昇・被告(69)は公判中で、判決は4月に言い渡される。
東京地検の市川宏・次席検事は「判決内容を十分検討して適切に対処したい」とコメントした。
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