京都大医学部付属病院は28日、がん遺伝子パネル(CGP)検査を初回薬物治療段階から実施することで、死亡リスクが41%減少したという先進医療Bの観察研究結果を公表した。会見した研究代表者の武藤学・京大医学部付属病院腫瘍内科教授は、「今回の結果を基に、CGP検査が実施タイミングの制限なく保険適用されるよう国に働きかけていく」と述べた。
武藤氏らは、標準治療開始前にCGP検査を行うことの臨床的有用性を評価するため、2021年5月から先進医療Bとして臨床研究を実施。検査を前倒しすることで推奨治療を受けられる割合が向上するという結果を取りまとめ、関係学会と共に中医協へ保険適用時期の前倒しを要望してきた。しかし、23年12月の中医協総会では「生存アウトカムを改善するデータがない」と指摘され、提案は却下された。
今回の観察研究は、先進医療Bに参加した症例を3年間フォローアップしたもの。初回薬物治療の段階でCGP検査を行い、専門家による結果解釈を経て推奨治療を実施した群では、推奨治療がなかった群に比べて、全生存期間(OS)が統計学的に有意に延長していた。死亡リスクは41%減少(ハザード比0.59)したという。臨床研究に参加した166例のOS中央値は27カ月。これに対し、がん種や年齢・性別の近い実臨床データからモデルケースとして抽出した症例群では19.1カ月だった。【日刊薬業】


