医療安全の教育手法を提案
千葉大学病院の清水氏

千葉大学医学部附属病院医療安全管理部の清水郁夫氏は8月30日、千葉市で開かれた日本臨床検査医学会学術集会の委員会企画で、医療安全の院内教育について講演した。検査や診断への関わり方から医療従事者を3つのグループに分け、それぞれに対する安全教育手法を提案した。
臨床検査の関連では、医療事故調査・支援センター(日本医療安全調査機構)が2024年12月、パニック値報告についての提言を公表している。関連する死亡17例を分析し、パニック値の報告体制や対応、表示に関連する課題を整理した内容だ。
清水氏によると、医療安全の観点からは、パニック報告の問題は「診断関連エラー」(Diagnostic error)の一つと捉えられる。診断関連エラーは「患者の健康問題について、正確かつ適時な説明ができなかったこと、またはその説明が患者に伝達されなかったこと」と定義される。1年間で約5%の米国成人患者が経験するとの報告があるなど、発生の頻度が高い。
パニック値報告は、診断のプロセスに関係するため「複雑さ」が内在しており、システムの問題として対応しなければならないが、「一番の問題は、その複雑さを当事者が十分理解していないこと」だと指摘した。
その上で清水氏は、医療安全対策のうち特に教育に言及。▽初学者・自分がオーダーしない職員▽検査や診断プロセスに関わり始める職員▽検査や診断プロセスを業務で実践する職員―のそれぞれについて教育手法を示した。
それによると「初学者・自分がオーダーしない職員」は、検査や診療のベネフィットばかりに目が向きがちで、結果を誤って受け取るリスクなどを想定していない。このため一般的なリテラシーとして、▽診療のリスクとベネフィット▽危険とその調べ方▽リスクアセスメントの意義や考え方―を教育することが必要になる。具体的には、現場の写真や図から、潜んでいる危険を予知する「危険予知トレーニング」が有用とした。
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