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網膜形成、鍵は酵素 細胞再生、治療活用に期待
奈良先端科学技術大など
網膜が作られる際に必要な細胞の機能を保つ酵素を、マウスの実験で特定したとの研究成果を、奈良先端科学技術大学院大などのチームが5日までに国際学術誌に発表した。通常、哺乳類では誕生後に失われてしまう細胞の機能を再び付与することができれば、損傷した網膜の再生医療につながる可能性があるとしている。
チームによると、網膜は「網膜前駆細胞」がさまざまな細胞に変化することで作られる。だが哺乳類では、出生前後に網膜前駆細胞がほぼ消滅するため、網膜の再生は難しい。今回チームは、網膜細胞に網膜前駆細胞と同じような機能を与えられないかと考えた。
マウスの網膜前駆細胞を取り出して調べたところ、「Sted8」という酵素が網膜が作られる時期では持続的に活性化していることが判明。一方で網膜ができた後の胎児や誕生後にはほぼなくなっていた。
そこでマウスの胎児に対し、人工的に網膜前駆細胞からSted8を消失させたところ、細胞自体が増えなくなり網膜も小さくなった。Sted8によって、網膜形成に関わる遺伝子が働きやすい状態が維持され、網膜細胞が作られることが分かった。
Sted8は人にもある。この酵素を活用すれば、損傷した網膜内の細胞を再生でき、緑内障などの治療へとつながる可能性がある。チームの松田泰斗・准教授(脳神経機能再生学)は「網膜再生能を持った細胞を作りたい」と話す。
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