タスクシフト・シェアの好事例を報告
日臨技・九州支部学会

10月19日の日臨技九州支部医学検査学会のタスクシフト・シェアに関する企画では、内視鏡や切り出し業務などのタスクシフト・シェアの好事例が報告された。日本臨床衛生検査技師会理事の田中信次氏(熊本県臨床検査技師会会長)は「タスクシフト・シェアは他職種連携、業務拡大、働き方改革の要であり、将来の業務領域にも関わる」と述べ、チーム医療を進めるきっかけとして意義があることに理解を求めた。
飯塚病院の吉田健登氏は、同院での病理医からの組織切り出し業務のタスクシフトについて報告。病理医の切り出し業務時間の削減などの効果を生んでいるとした。今後は業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化などでさらに時間を確保し、切り出しを行える対象臓器や臨床検査技師を増やすことを目指しているという。
同院では2020年から病理医の負担軽減のため、臨床検査技師による組織切り出し業務を導入し、対象臓器を徐々に拡大している。対象臓器ごとに標準作業手順書(SOP)を作成し、SOPに基づき切り出しを実施。2023年4月から2025年5月までの集計では、対象となる切り出しのほとんどを臨床検査技師が担当したという。
吉田氏は、タスクシフトにより病理医の切り出し業務時間が1日当たり30分弱削減できたと報告。定期的な勉強会などで技量を担保しており、検体数が少ない臓器については今後、動画視聴などでの教育も検討していくと話した。
鹿児島市立病院の片平帆風氏は、同院での内視鏡業務のタスクシフトの取り組みを紹介した。看護部からは、内視鏡業務者の時間外業務の削減などにつながっているとの評価があったとした。同院では2024年2月から、臨床検査技師が内視鏡業務に参画。業務は患者案内から患者へのモニター・マウスピース装着、スコープの準備・点検・洗浄など、多岐にわたるという。
内視鏡業務に従事して約1年だという片平氏は「最初はまったくなじみのない業務なので、看護師に教えてもらいながら習得していった。今も大変な現場だが、この1年の経験は決して無駄にならないと思っている」と述べた。
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