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ポケモンアプリで睡眠分析 要注意タイプ、AI解明 仕事の効率との関係探る
筑波大・柳沢教授

2026.02.18 05:20 会員限定記事を示すアイコン

睡眠研究の世界的権威として知られる柳沢正史・筑波大教授(神経科学)が、自ら監修に携わったスマホアプリ「ポケモンスリープ」で集まったデータを生かし、睡眠と仕事のパフォーマンスの関係に迫る研究成果をまとめた。これまで把握が難しかった眠りの質を客観的に記録した大量のデータと、人工知能(AI)も活用した解析により、注意が必要な睡眠タイプの存在や健康に働くためのヒントが見えてきたという。

アプリは、利用者が睡眠時間を記録することを通じてポケモンを育てたり、仲間にしたりする内容だ。布団やベッドの上にスマホを置いて寝ると体の動きなどを検知し、睡眠と覚醒を判定。寝付くまでの時間や眠りの深さ、途中で目覚めた頻度も測定できる。

柳沢さんら筑波大の研究チームは、アプリ利用者のうち協力を得られた、日本で働く男女約8万人のデータ(計約210万日分)を分析した。

AIを用いて、睡眠の特徴を分析すると(1)バランスの良い「健康型」(2)睡眠時間が長い「長時間型」(3)途中で目覚める回数が多い「断片型」(4)寝付きが悪く、途中で目覚める回数も多い「不眠傾向型」(5)平日と休日の睡眠リズムがずれる「社会的時差ぼけ型」―の5タイプに分類できることが分かった。

仕事の効率について尋ねた調査と比較すると、男女を問わず「時差ぼけ型」や「不眠型」で労働生産性の低下傾向がみられ、不眠や日中の眠気などの訴えも多かった。時差ぼけ型が最も低下が激しく、健康型と比べると1人当たり年間約14万円の経済損失に相当するとの結果に。今回の時差ぼけ型の割合(16%)を日本の労働者全体に当てはめると、損失は年間約1兆円に上るという。

研究では、睡眠時間が長過ぎても短過ぎても生産性の低下傾向が強まることも判明。チームは、6~9時間が理想的だと分析する。睡眠時間が極端に長い人は、うつ傾向や睡眠時無呼吸症候群など体の不調が原因の可能性があり、注意が必要だという。

どうすれば生産性の低下を避けられるか。チームは「平日と休日の睡眠の長さと時間帯をずらさないことが重要だ」と指摘する。平日は寝不足で土日に寝だめをしている人は体内時計が乱れやすいため、柳沢さんは「平日に30分でもいいので早く寝るようにしてほしい」とアドバイスする。

従来の睡眠研究は比較的少人数の被験者を対象にした実験やアンケートが主流で、大規模なデータ収集が課題だった。チームは今後、スマホを活用して個々人の眠りの改善を支援する仕組みや、健康と生産性を両立できる職場環境づくりにつなげたいとしている。

 

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