麻しん累積236例、過去5年同時期を上回る
週刊 感染症サーベイランスレポート #2026年第14週(2026.3.30 - 4.5)

2026年第14週の全国的なトレンド
2026年第14週(3月30日~4月5日)の感染症発生動向では、全国的に多くの定点把握疾患で減少傾向が続いています。
急性呼吸器感染症(ARI)の定点当たり報告数は43.40(報告数161916例)で、前週と比較して減少しました。インフルエンザの定点当たり報告数は3.21、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は0.77で、いずれも第7週以降減少が続いています。基幹定点からの入院サーベイランス報告数も、インフルエンザは142例、COVID-19は388例で、いずれも前週より減少しました。
小児科定点報告では、RSウイルス感染症は0.47、咽頭結膜熱は0.21、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は2.23で、いずれも減少しました。感染性胃腸炎も4.62で減少しています。一方、水痘は0.32で増加し、過去5年間の同時期平均と比較してかなり多い状況です。手足口病は0.08、ヘルパンギーナは0.02で、いずれも増加しました。流行性耳下腺炎は減少しています。
その他、基幹定点報告疾患では、マイコプラズマ肺炎は2週連続で減少しました。全体として、呼吸器感染症を中心に減少が続く一方で、一部小児科定点疾患に増加がみられる週です。
注目すべき感染症——麻しん
麻しん(はしか)は、2026年第1〜14週までの累積報告数が236例となり、2020~2025年のいずれの年の同期間累積報告数も上回っています。第11週以降の診断週別報告数は28~34例で推移しており、高水準の報告が続いています。
報告された236例のうち、234例が届出に必要な病原体診断を満たした検査診断例で、主たる臨床3症状(発疹、発熱、カタル症状)すべてを満たす典型的な「麻しん」が161例、1つもしくは2つを満たす「修飾麻しん」が73例でした。遺伝子型は155例で判明しており、B3型が98例、D8型が57例でした。
都道府県別の発生動向
都道府県別にみると、ARIの定点当たり報告数は、岩手県(73.48)、群馬県(66.53)、富山県(66.31)で高くなっています。インフルエンザは北海道(8.66)、長野県(7.68)、富山県(6.98)、COVID-19は岩手県(3.90)、秋田県(2.52)、青森県(2.50)が上位です。
RSウイルス感染症は山形県(1.69)、佐賀県(1.58)、長崎県(1.45)、咽頭結膜熱は鹿児島県(0.81)、福岡県(0.59)、長崎県(0.58)で多く報告されています。水痘は、宮崎県(0.93)、京都府(0.92)、沖縄県(0.88)で高い値です。
| 都道府県 | 報告数 |
| 東京都 | 72例 |
| 鹿児島県 | 27例 |
| 愛知県 | 23例 |
| 千葉県 | 20例 |
| 神奈川県 | 20例 |
〔IDWR感染症週報 第14号を基に作成〕
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