東大病院、「大学直轄」の可能性も 不祥事続発で、総長が会見
医学部・病院の組織風土の抜本的見直しへ

東京大の医学部・医学部付属病院で、医師の逮捕が相次いだことを受け、同大の藤井輝夫総長らは28日に会見を開き、今後のガバナンス改革策の概要を説明した。改革の一つとして、医学部・病院の組織風土の抜本的見直しを図る構えだ。病院を医学部付属ではなく、大学直轄にする案が浮上しており、藤井総長は「大学付属病院になる可能性もある」と述べた。
医学部・病院では2025年11月、松原全宏准教授が収賄容疑で逮捕されている。さらに今月24日には、佐藤伸一教授が別の収賄容疑で逮捕された。
一連の不祥事を調べる中で、問題点の一つとして、医学部・病院の組織風土の問題が浮かび上がったという。藤井総長は「閉鎖的とも指摘される組織風土を抜本的に見直して、風通しの良い、相互牽制の利く組織へと生まれ変わるための改革策を取りまとめ、迅速に実行していく」と説明した。
現在は組織として、大学本部の下に医学部があり、医学部の下に病院がある。このため、本部が病院の在り方をチェックする場合、「基本的には医学部を通してアクセスする」(藤井総長)ことになる。「大学付属病院」への移行が検討課題に挙がっているのは、本部と病院の距離感を縮める狙いがあるためだ。
松原氏の逮捕を受け、南學正臣医学系研究科長・医学部長、田中栄病院長は、いずれも厳重注意の処分を受けた。今回の佐藤氏の逮捕で、南學氏は訓告措置に。田中氏は管理責任を取って、自ら病院長を辞した。現在は久米春喜副院長が病院長を代行しており、次の病院長の選考は検討中だ。
支払われた研究費、100万円だけ
会見では、佐藤氏の問題について、東京大が把握している概要も示した。
大学と日本化粧品協会などは23年4月、佐藤氏が責任者を務める社会連携講座「臨床カンナビノイド学講座」を設置。研究費は23~25年度の3年間で、最終的に約2億円の計画だった。研究費は大学ではなく、協会などが負担する契約となっていたが、実際に支払われたのは100万円だけだった。このため、大学は25年3月で講座を廃止した。
本来は研究費を充てるべき、講座関係者の人件費は、大学の持ち出しとなった。調査に当たった國廣正弁護士は、研究費への大学のチェックがおろそかだったとの認識を示し、「要するにルーズだった」と話した。
一方で、協会の代表者は23年2月~24年9月にわたって、佐藤氏らを接待。おおむね月2~4回程度、高級飲食店、高級クラブ、キャバクラ、性風俗店で接待に当たった。協会は見返りとして、東大ブランドを利用していた形跡がある。この接待が逮捕につながった。
大学は、佐藤氏らの行為について、教職員倫理規定に違反していると判断。研究の公正さにも疑念を生じさせかねないとし、26日付で佐藤氏を懲戒解雇とした。【MEDIFAX】
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