業界ニューストレンド

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は3週連続増加、ハンタウイルスの評価も
週刊 感染症サーベイランスレポート #2026年第17週(2026.4.20 - 4.26)

2026.05.18 06:10 会員限定記事を示すアイコン

2026年第17週の全国的なトレンド

2026年第17週(4月20日~4月26日)の感染症発生動向では、急性呼吸器感染症(ARI)の定点当たり報告数は56.35(報告数21万290例)で、前週から増加しています。前週を上回った都道府県は45都道府県です。

インフルエンザは0.61で、前週から減少し、第7週以降減少が続いています。一方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は0.68で、前週から横ばいでした。基幹定点からの入院サーベイランスでは、インフルエンザは41例、COVID-19は241例で、いずれも前週より減少しています。

小児科定点では、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は3.23で、3週連続の増加となっています。感染性胃腸炎は5.35で、2週連続の増加となりました。水痘は0.38で、前週から増加しています。手足口病は0.26、ヘルパンギーナは0.06で、いずれも第14週以降増加が続いています。咽頭結膜熱は0.31で、3週連続の増加となっています。RSウイルス感染症は0.53で、前週から減少しました。

全数把握疾患では、腸管出血性大腸菌感染症50例、レジオネラ症29例、日本紅斑熱14例、百日咳105例、麻しん68例などが報告されています。麻しんは東京都を中心に報告されています。梅毒は187例で、累積報告数は3502例となっています。

基幹定点報告では、マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は0.16で、前週からわずかに減少しました。また、感染性胃腸炎(ロタウイルスに限る)は19都道府県から41例が報告されています。

 

都道府県別の発生動向

都道府県別では、ARIの定点当たり報告数は岩手県(84.33)群馬県(83.80)埼玉県(77.66)が上位です。COVID-19は岩手県(2.74)宮城県(2.25)秋田県(1.76)が上位です。インフルエンザは山形県(3.95)沖縄県(3.91)北海道(2.00)が多く報告されています。

小児科定点では、RSウイルス感染症は山形県(2.23)福岡県(1.80)佐賀県(1.58)が上位です。咽頭結膜熱は鹿児島県(0.97)島根県(0.91)福岡県(0.90)が多く報告されています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は鳥取県(7.32)北海道(6.62)愛媛県(6.10)が上位です。感染性胃腸炎は島根県(11.91)鳥取県(10.37)富山県(9.62)が高い状況です。

 

注意すべき海外感染症——ハンタウイルス肺症候群

南大西洋上を航行中のクルーズ船におけるハンタウイルス感染症事例を受け、国立健康危機管理研究機構(JIHS)はリスク評価を公表しています。2026年5月4日時点で、確定例2例、疑い例5例の計7例が報告され、うち3例が死亡しています。

ハンタウイルス肺症候群は、主にげっ歯類の排泄物を含む粉じんの吸入などにより感染します。発熱、咳、筋肉痛などを呈し、急速に呼吸不全へ進行することがあります。検査は、血液または肺組織からのウイルス分離・同定、ウイルス遺伝子検査、血清学的検査により行われます。特異的治療法はなく、対症療法が中心です。日本国内での患者報告はなく、国内で感染拡大する可能性は低いとされています。なお、本事例は国内外の保健機関や研究機関による調査が継続しており、今後情報が更新される可能性があります

 

表 第17週における主要感染症の定点当たり報告数(全国)
主要感染症 定点当たり報告数 前週からの増減
インフルエンザ 0.61
COVID-19 0.68
感染性胃腸炎
5.35
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 3.23
RSウイルス感染症 0.53
咽頭結膜熱
 0.31
水痘  0.38  ↑ 
手足口病
 0.26
ヘルパンギーナ
 0.06

〔IDWR感染症週報 第17号/急性呼吸器感染症サーベイランス週報 第17週を参考に作成〕


続きを見るには会員登録
(無料)が必要です

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

MTJメールニュースの会員のみなさまへ

MTJメールニュースは、WEBサイト「MTJ ONE」にリニューアルいたしました。
お手数ですが、下記より再度、新規会員登録をお願いします。

すでに会員の方はこちらからログイン