キャリア・学び
臨床検査技師のための感染症 Quick Reference #03
麻しん(はしか)

麻しん、国内で感染拡大の懸念 ワクチン接種は2期とも95%未満
麻しんの感染報告数が急増している。国立感染症研究所(感染研)の「病原微生物検出情報(IASR)」によると、2026年は6月第4週時点で554人例に上り、過去10年間で最大だった2019年(744例)に迫る勢い。日本国内ではウイルス排除状態にあるものの、世界的には流行が続き、「流行国からのウイルスの持ち込みリスクが高まっている」(応用疫学研究センターの砂川富正センター長)。
予防にはワクチン接種が有効だが、2024年度の接種率は1歳児(第1期)が92.7%、小学校就学前1年間(第2期)が91.0%。流行を防ぐための目標値である95%にいずれも及ばない。感染研では、ウイルスが海外から持ち込まれた場合でも感染拡大につながらないよう、サーベイランスの徹底などとともに、ワクチン接種率の向上を訴えている。
麻しんの概要
- 麻しんウイルス感染により引き起こされる急性感染症。はしか。主な症状は発熱、発疹、カタル症状(咳嗽、鼻汁、結膜充血)
- 麻しんウイルスの感染力は極めて強く、体育館の広さでも感受性者全員が発症するほど
- 小児期に感染し、2〜10年後に発症する予後不良の「亜急性硬化性全脳炎(SSPE)」が知られている。国内患者数は66人(2018年)
発生状況
- 2020〜2022年は年間10例以下に減少したが、コロナ禍後の2023年以降、増加傾向が続いている
- 2026年は6月第4週時点で554例の届け出。すでに前年の届け出数(265例)の2倍を超えた(図)
- 2026年の届け出は国内感染例が73%を占め、症例の7割が10〜30代
〔砂川富正,他:感染症意見交換会(2026年7月30日)資料;最近の我が国の麻疹発生動向の特徴より〕
予防策
- 麻疹風疹混合(MR)ワクチンによる、1歳以上2回(第1期=1歳、第2期=小学校就学前の1年間)の接種が推奨されている
- 主な副反応は発熱や局所反応、リンパ節腫脹など
- ワクチン接種率(2024年)は第1期が92.7%、第2期が91.0%。目標の95%以上に及ばない
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