キャリア・学び

松子の「レンズの向こう、白衣のとなり」 #03
患者になっても検査技師の視点が抜けない私たち

2025.12.12 06:00

病院に足を運ぶとき、普段は検査を行う側の私たちも、患者として検査を受ける側の立場に回ります。待合室で名前を呼ばれて検査室に入ると、目の前の検査技師の動きに自然と注目してしまうのは、まさに長年の職業病。

「もし自分だったらどうするだろう?」

患者としての緊張よりも検査技師としての観察眼が先に働いてしまい、検査の流れを頭の中でシミュレーションしてしまうのです。今回はそんな、患者になっても検査技師の視点が抜けない3つのシーンをご紹介します。

 

患者になっても検査技師の視点が抜けない3つのシーン

1.採血台から見つめるプロの手技

採血台に座ると、どうしても検査技師の動きや手元に目を奪われてしまいます。駆血帯の巻き方、アルコール綿の拭き取り方、針を刺す角度——自分も普段から何気なくやっている手技だからこそ、他の検査技師のやり方が気になって仕方ありません。

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そして、いざ穿刺の瞬間。スッと一発で決まったときには「うまい!」と心の中で拍手。痛みがないときは、患者として思わず「全然痛くなかったです!」と口にしてしまいます。これは検査技師仲間へのエールであり、「自分ももっと精度を上げなければ…!」と思わせてくれる瞬間でもあります。

 

2.モニターと手技の同時チェック! 「学び」を持ち帰るエコー室

エコー検査を受けているとき、患者であれば本来モニターに映る画像が気になるのに、職業柄どうしても技師の手元にも目がいきます。「この断面の出し方、参考になるな」とモニターを食い入るように観察すると同時に、お腹の方を見て「プローブの当て方や角度、滑らせ方...うまいな」と、技師本人の手さばきも注意深く見てしまう——まさに検査技師ならではの“職業病”。

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患者でありながら、検査が終わる頃には「自分もあんな的確な操作ができるようになりたい」と思える。受ける立場でもスキルアップのヒントを得られるのは、検査技師ならではです。

 

3.他施設はアイデアの宝庫! 業務改善のヒントを探索

病院に行くと、検査データの見せ方やラベル処理の工夫など、業務改善のヒントが自然と目に入ります。「なるほど、こうすれば作業がスムーズになるのか」と、検査に直結する工夫ばかりに意識が集中してしまうのです。

患者として診察を受けに来たのに、「これは自分の現場でも試せそう」と思考が切り替わってしまうのは完全に職業病。気づけば自分の診察が終わった後も、頭の中は業務改善のアイデアでいっぱいになっています。

 

“患者体験”が必ず自分の成長につながる

患者として病院を訪れるだけでも、そこには多くの気づきがあります。

受ける側の体験を学びに変えられるのは、臨床検査技師という仕事の面白さの一つです。今日の“患者体験”が、必ず明日の自分の成長につながる——そんな“あるある”を意識して、自分の技術や姿勢を磨いていきましょう。

松沢 京子