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DNA解析に「エタノール退避は有効」、 「金曜日問題」で病理学会が実証データ
ゲノム研究用規程を9年ぶりに改訂

日本病理学会はこのほど、「ゲノム研究用病理組織検体取扱い規程」の改訂版(第2版)を公表した。組織検体のホルマリンによる過固定を避けるために行う「エタノール退避」の実証データを追加し、特にDNAを用いた解析では有効との判断を示した。実証データでは、DNAの品質指標はエタノール退避により、対照とした48時間固定に近い値となり、96時間固定に比べてDNAの品質が保たれていた。
改訂は9年ぶり。学会ホームページから全文のPDFが無料でダウンロードできる。
金曜日に提出された組織検体を土・日曜日の間もホルマリンに浸漬すると過固定になる恐れがある。このため施設によっては、ホルマリン固定をいったん中断してエタノールに浸漬する「エタノール退避」を行う場合がある。月曜日の出勤後にホルマリン固定を再開する。
このエタノール退避の要否はいわゆる「金曜日問題」として知られ、病理検査室の関心が高い。このため、九州がんセンターと慶應義塾大学医学部が協力して有用性を検証した。
検証には、手術検体5例の組織片を使った。①10%中性緩衝ホルマリンに96時間浸漬した「エタノール退避なし」②10%中性緩衝ホルマリン固定(24時間)→エタノールへの退避(48時間)→ホルマリン固定(24時間)の「エタノール退避あり」―の2つの方法で3つの品質指標を測定した。対照は、10%中性緩衝ホルマリンで48時間固定とした。
その結果、DNAの品質を示すDIN値は、統計的な有意差はなかったものの、「退避なし」に比べ「退避あり」の方が対照のDIN値に近かった。このことから第2版では、特にDNAを用いた解析でエタノール退避を推奨。さらに、診療目的の遺伝子パネル検査においても有効との判断を示した。
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