全国的に医療機関の経営状況が悪化する中、日本最大級の民間医療グループである徳洲会は、グループを構成する法人全体で黒字を上げ続けているだけでなく、積極的に病院統合を行うなど拡大路線を取っている。東上震一理事長は本紙の取材に「将来的に100病院を目指す」との展望を述べ、医療の質向上に注力したい考えを示した。
徳洲会グループは現在、病院90施設、診療所30施設のほか、介護施設なども含め計約400施設を抱える。近年は病院の事業承継やM&A(合併・買収)などを進め、2025年だけで11病院を新たに傘下に加えた。従業員数は約4万7000人におよぶ。
グループ全体の医業収益は、24年度決算ベースで約6069億円と、前年度比で約264億円の増だった。経常利益は約264億円で、前年度比約32億円の増。グループを構成する「医療法人徳洲会」に所属する87病院(25年3月期時点)に限って見ると、医業利益率は5.6%、経常利益率は5.7%だった。
東上氏は黒字経営の要因について「特別なことはしていない」としつつ、「生命(いのち)だけは平等だ」の理念の下、患者第一の意識を組織全体で徹底して共有していることを繰り返し強調。外来や手術、検査など、患者に必要な医療機能を24時間年中無休で提供することが最重要だとし、「提供量を出し惜しみしない」と述べた。
こうした体制を維持するには人手が欠かせない一方、人材確保が最大の課題になっているとも話す。スタッフのやりくりのため、徳洲会では都市部で人材を採用し、地方へ「応援」として派遣する仕組みを取っている。東上氏は「さまざまな地域で経験を積むことは医療人の教育としても絶対に良い」と説明する。【MEDIFAX】






