人的支援、8月末めどに一区切りへ 小規模施設への新規派遣も調整
長沢会長が被災検査室を視察 職員疲弊も「検査機能はかなり回復」
日本臨床衛生検査技師会の長沢光章会長は8月11日、被災地の視察のため熊本県入りした。12日には熊本市内の熊本医療センター、済生会熊本病院、熊本赤十字病院を訪問。13日には被害の大きかった八代市の熊本総合病院、熊本労災病院を訪れ、被害状況や必要な支援策などについて意見を交換した。視察には丸田秀夫副会長、熊本県臨床検査技師会の田中信次会長らも同行した。
5病院の検査部門を視察後、取材に応じた長沢会長は、八代市の熊本総合病院と熊本労災病院について、「壁のひび割れ、水漏れなど一定の被害が確認されたが、構造的な大きな損傷はない印象。2週間が過ぎ、検査室機能は通常稼働に近いところまでかなり回復してきている印象を受けた」と説明。ただ、多くの職員が疲弊していることに加え、検査業務を支える純水が不足しているほか、病理部門では標本やスライドケースが転倒、散乱したため実務に支障が出ているという。
今月下旬に、自立可否確認へ
現在、熊本総合病院、熊本労災病院にそれぞれ3人程度を派遣している人的支援については、「現時点では、8月末で落ち着くのではないかと思っている」と説明。今月下旬にも派遣検査室の自立可否の訪問確認を計画しており、その時点での状況を見極めながら支援継続の可否を検討する構えだ。
一方で、DMAT(災害派遣医療チーム)の撤退に伴い、新たな人的支援ニーズも生じている。長沢会長は「少ない検査技師で支えているような小規模施設からの支援ニーズへの対応も考えるべき」と述べ、新たに1施設に派遣する方向で調整を進めている。
また、日臨技はDVT(深部静脈血栓症)検診について、8月8~9日、同15~16日のようにJMAT(日本医師会災害医療チーム)と連携したチームを編成して対応している。ただ、DMAT調整本部でも避難所のエコノミークラス症候群への注意喚起と、補足的にDVT検診を組み合わせた支援パッケージを新たに検討しており、こうした動向も見ながら、「必要であれば協力していくことも考えたい」との考えを示した。
「人的支援、非常に助かる」 熊臨技・田中会長
視察に同行した熊臨技の田中会長は、2016年の熊本地震とは違い、被害が八代市や宇城市など限局的であり、被災レベルそのものは10年前よりも小さい印象があると説明。発災直後に、八代市内の病院で被災状況と支援ニーズを確認した際は、「現場スタッフの強い使命感から自力復旧が優先で、外部支援の受け入れ態勢が整うまで待機している状況だった」と振り返る。
復旧が進むにつれ、支援ニーズにも変化が生じたという。「使命感で乗り切った後は、現場の疲労や、メンタル的な部分が大きな課題になった。そのタイミングで日臨技からの人的支援は非常に助かっている」と述べた。人的支援に当たっては、各病院が採用する検査装置や機器の運用上の注意事項をまとめた支援業務マニュアルが作成されたことに言及。「外部から支援に入った検査技師が即戦力として活躍する上で、大いに役立った」と話している。








