サクッと解説! 検査技師必見トピックス #19
病棟で検査技師は存在感を示せるのか 日臨技事業が問う病棟での役割


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日臨技は、2026年度診療報酬改定で新設された「看護・多職種協働加算」を受け、臨床検査技師の病棟配置を進めるモデル事業を始める。
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事業では全日病と連携し、病棟での役割整理や院内調整を伴走支援し、実践ノウハウのガイドライン化を目指す。
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検査技師には、検査室外で専門性を発揮することが求められており、AI活用による業務効率化や若手育成も今後の課題となる。
2026年度診療報酬改定で新設された「看護・多職種協働加算」を受け、日本臨床衛生検査技師会(日臨技)が、臨床検査技師の病棟配置を後押しするモデル事業を開始します。看護師不足やタスクシフト・シェアを背景に、検査技師の活躍の場を病棟へ広げる流れが本格化しつつあります。
病棟配置を後押しする改定
今回のモデル事業の特徴は、「病棟配置を推進しましょう」という呼び掛けにとどまらず、実際に現場へ落とし込む“実装支援”まで踏み込んでいる点です。約2500病院が加盟する全日本病院協会(全日病)と連携し、関東圏で加算取得を見込む病院をモデル施設として、病棟での検査技師活用に向けた課題整理や院内調整を伴走型で支援します。
病棟で検査技師を機能させるには、病院幹部や看護部門との調整だけでなく、「病棟で何を担うのか」という役割整理も欠かせません。今回の事業では、外部支援も活用しながら、現状分析や合意形成を進め、一連の調整に役立つ実践ノウハウをガイドライン化する方針です。
日臨技がここまで力を入れる背景には、念願だった病棟での検査技師配置の加算が新設されても、「現場で実装されなければ意味がない」という危機感があります。横地常広会長も、「報酬が付与されたにもかかわらず、病棟配置が進まない状況は避けなければならない」と強調しています。
病棟で求められる専門性とは
今回の加算新設からは、単に「人手不足を補うために病棟へ出る」というだけではなく、検査技師の専門性そのものが、病棟のチーム医療の中で求められ始めていることも読み取れます(図1、2)。検査データを扱う専門職として、病棟でどのような価値を発揮できるのか―。そうした視点が、これまで以上に問われる時代に入ったと言えそうです。実際に病棟業務を経験した検査技師からは、「検査室だけでは見えなかった景色がある」という声も聞かれます。
〔厚生労働省:令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】.p36,2026(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001706378.pdf)より〕
〔厚生労働省:令和8年度診療報酬改定について【医科全体版】.p37,2026(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001706378.pdf)より〕
AI時代、検査部門はどう変わるか
一方で、こうした取り組みが簡単に広がるわけではありません。人員不足に悩む検査現場も多い中、検査室業務を維持しながら病棟へ人を出す難しさは確かにあります。
こうした課題を乗り越える鍵として期待されるのが、AIをはじめとする技術革新です。これらのツールを活用しながら、検査室業務の効率化や自動化をさらに進め、その中で生まれた人的リソースを病棟や他部門へ振り向けていく―。そうした考え方も、検査現場に強く求められていくのではないでしょうか。
活躍の場を広げる試金石に
ただ、人員を確保できればそれで十分というわけではありません。若手検査技師の中には、「他職種とうまくやれるか不安」「病棟で何をしていいか分からない」と感じる人も少なくありません。
検査室にとどまらず、病棟をはじめとする現場で専門性を発揮する検査技師は増えるのか。今回の日臨技事業は、その試金石になりそうです。同時に、検査室運営を担う幹部らには、若手検査技師が新たな活躍の場へ踏み出せる環境づくりも求められるのではないでしょうか。
問われているのは病棟配置そのものではなく、検査技師が検査室の外でどのような価値を発揮できるのか―。今回のモデル事業でその答えを示せれば、病棟での検査技師業務が今後さらに評価される道も開けてくるはずです。(水)
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MTJ編集部
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